読みたい、読みたいと思っていた「カディスの赤い星」を
やっと読みました。
逢坂 剛氏が1977年、会社勤めのかたわらに
1年がかりで書き上げた長編の処女作です。
当初は出版の目途が立たず、
その後作家になって
「暗殺者グラナダに死す」(1980年)などを発表してから6年後、
ようやく出版されましたが、
初稿を書き上げてから9年近い月日が経っていました。
そして1986年この「カディスの赤い星」で第96回直木賞を受賞しました。
まだ読んでいらっしゃらない方のために
あらすじはあまり書きませんが、
フリーのPRマンである主人公は
スペインの老ギター製作者に頼まれ、
かつて彼が所有していた著名なフラメンコギターを探すことになり、
様々な想像を絶する苦難に合います。
1975年のフランコ独裁政権末期のスペインも舞台になっていますが、
一昨年スペイン旅行の時に行った地名がいろいろ出てきて
とても懐かしく、一層この本に親しみを持ちました。
そして
テンポの速いストーリー、思わぬ展開に引き込まれ
あっという間に読んでしまいました。
とても面白い本です。
秋の夜長にいかがでしょう。
お勧めの本です。
「カディスの赤い星」の舞台になったオリエンテ広場から見る王宮(マドリッド)
~スペイン旅行にて 2012.6.1撮影
~スペイン旅行にて 2012.6.1撮影
私はスペイン旅行で、現地のガイドさんから
ガイドブックに載っていないような話をいろいろ聞くことができました。
そのどれも大変興味深く、
初めはそんなに興味のなかったスペインに段々魅せられていきました。
先日カタルーニャ地方の独立を問う投票が話題になりましたが、
バルセロナを州都とするカタルーニャ地方は
独自の歴史、文化、言語を育んできており、
その勤勉・質素な気質は一番スペインらしくないと言われるそうです。
フランコ時代はその固有の言語と文化を否定・弾圧されましたが、
フランコ死後1977年には念願の自治権を獲得し、
カスティーリャ語と並んでカタルーニャ語も公用語として復活させました。
私はそんなに海外旅行をしているわけではありませんが、
フランスやイタリアと違った味わいがスペインにはありました。
長く続いたイスラム支配の影響が残っているからでしょうか・・・
逢坂 剛氏のスペイン小説はまだいろいろありますので、
これから読むのを楽しみにしています。
「カディスの赤い星」の舞台にもなったグラナダのサクロモンテ
~スペイン旅行にて 2012.6.4撮影
~スペイン旅行にて 2012.6.4撮影
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