昨年の11月に
「カディスの赤い星」を読んだ感想をブログに書きましたら、
フェイスブックのお友達から
何冊かお勧めの本を紹介されました。
私が希望していたスペイン物です。
ひとつは
同じ逢坂 剛氏の
「燃える地の果てに」(上下)です。
この本は
スペイン アンダルシア地方アルメリア県東端の
辺鄙な村パロマレスが主な舞台となっています。
1965年12月、
フラメンコギタリストである22歳の古城邦秋は
パロマレスに住むギター製作者ディエゴ・エル・ビエントに
ギター制作を依頼しにやって来ます。
古城は
そのギターが出来上がるまで
村に滞在することになり、
そこに事件が起こります。
その事件は
実際に起きた米軍の戦略爆撃機墜落事故ですが、
核爆弾を搭載していたことから
大きな波紋を呼びます。
事実は村人には伏されていましたが、
村は疑心暗鬼の日々が過ぎ、
そこにはスパイも見え隠れします。
事件の間に
ギター製作の場面も出てきて
大変興味深く読みました。
この事件の物語は1966年4月で終わりますが、
この話の間に
1995年9月から96年1月までの現在の物語が
織り込まれ、
30年を隔てた話が交互に進行していきます。
現在の物語は
美貌のクラシックギタリスト ファラオナ・マクニコルが
エル・ビエントを探す旅です。
そして最後に二つの物語が出合います。
結末である最後の場面には本当に驚愕します。
思わず何ページも戻って読み直してしまいました。
長い小説ですが、
少しも飽きさせず次の展開が待ちきれません。
これも「カディスの赤い星」同様お勧めの本です。
主人公古城がギター修行のため、タブラオで踊りの伴奏をしていたセビーリャの街
~ヒラルダの塔より街を望む 2012.6.6 スペイン旅行にて~
余談ですが、
主人公古城は中出阪蔵氏のフラメンコギターを持っているのですが、
私の夫は同じ中出阪蔵氏のクラシックギターを愛用しています。
夫が所有している中出阪蔵氏1976年制作のクラシックギター
次回は
もう一つの本、
「風の影」(カルロス・ルイス・サフォン)について書こうと思います。
こちらはつい最近読み終えたばかりで
まだ余韻が私の中に残っています。
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