2016年10月8日土曜日

北スペイン・ポルトガル旅行記(21)最終回 リスボン Lisboa ④ とファドレストラン

6月13日午後、
シントラを後にしてリスボンに戻ってきました。

リスボンでは夕食まで自由行動となりましたので、
私達夫婦はケーブルカーに乗ることにしました。

リスボンの街 2016.6.13

街を歩いてお土産物屋さんを覗きながらケーブルカーの駅まで行きましたが、
ケーブルカーに乗っている距離はほんの短いものです。
乗る所から降りる所が見えるくらいです。

しかしながら、
この急勾配の上の街に行くにはケーブルカーは必要なものだと思いました。

ケーブルカーの上の駅から乗る乗客

ケーブルカーで上った展望台からはリスボンの街が見渡せます。

曇り空の下のリズボン~ケーブルカーで上った街から見た景色

またケーブルカーに乗って下の街に戻り、
買い物をしながらぶらぶら歩いてホテルに帰りました。

名残惜しいリスボンの街 

その後、夜7時45分に、
私達のツアーはホテルのロビーで集合して、
ファドを聴きながらの夕食へと出かけました。

ファドのレストラン~ステンドグラスが綺麗です

私達が行ったファドのレストランは老舗らしく、
往年の名歌手アマリア・ロドリゲスが来店した様子などの写真が
沢山飾ってありました。

ファド Fad は
「運命」「宿命」という意味を持ち、
その発祥にはいろいろな説があります。

その中の一つは、
ポルトガルの植民地だったブラジルのサトウキビ畑で働いていた
沢山のアフリカ人の奴隷達が歌っていた悲哀の歌であり、
それが金などの産物と一緒にリスボンにもたらされたというものです。

ファドは
社会の底辺にいた貧しい人たちの音楽であり、
リスボンのアルファマ地区など下町には
船乗りや売春婦、失業者達などが多く住んでおり、
こうした人達が
日々の辛い生活の中でひと時の娯楽としてファドを聴き、歌っていました。

そして
舞台音楽やいろいろな階級の音楽に影響され、
踊りや打楽器などの伴奏が消え、
歌の叙情的な部分だけが残りました。

その後、
貴族にも好まれるようになり、劇場で歌われるまでになりました。
アマリア・ロドリゲス(1920年7月23日-1999年10月6日)の出現で
ファドは頂点を迎えます。

この旅行記の「コインブラ」の記事でも触れましたが、
リスボンのファディスタ(ファドの歌い手)は大半が女性で、
女性の心情を歌った物悲しい曲が多いそうです。

ファドを歌う歌手~リスボンのレストラン

私達は
お食事をしながらファドを聴きましたが、
ポルトガルギターとクラシックギターを伴奏に
若い男性1人と女性2人が順番に歌ってくれました。

生の歌声は声量があり、低音で切々と歌うその歌声に
私は食事をとるのも忘れて聴き惚れてしまいました。

このレストランでは12時過ぎからメインの歌い手が登場するらしいので、
私達が聴いた歌手たちは前座のようなものかも知れませんが、
とても素晴らしいものでした。

ファドのレストランのアズレージョ

私はファドについてはあまり知識がなかったのですが、
このレストランで
ファドの女王と呼ばれるアマリア・ロドリゲスのCDを販売しているというので
是非購入いたいと思い、買ってきました。

帰国して早速聴きましたが、
当初は高音で華奢な歌声に戸惑いました。

でも聴く度にまた聴きたいと思うのです。
それが人の心を掴むということなのかな、と思いました。
それからは度々CDをかけています。

アマリア・ロドリゲスのCDのジャケット・・とても美しい人です

ファドのレストランを出ると
翌日は
いよいよ帰国の日となりました。

名残惜しいリスボン、ポルトガルでした。


ヨーロッパ最西端の国であるポルトガルは
かつては並みいる大国に先駆けて大航海時代を切り開き、
アジア、アフリカ、南米に多くの植民地を持っていました。
しかし、
国力を超えて事業を拡大したことなどから、
やがてスペイン、イギリス、オランダに海洋交易の覇権を握られてしまいました。

買ってきたアズレージョ(ハンドペイント)~裏に作家のサインがあります

「運命」という意味を持つファドの調べがしっくりくる国でありますし、
レストランやお店で出会った人達の
穏やかでシャイな感じが印象的な国でした。

歴史的に日本とも繋がりが深く、
海に面しているので海産物が多いことなど、
食事の面でも日本人には馴染みやすい国です。

名物のタコやホタテの缶詰~安くて美味しいです

またポルトガルで一番人気のあるのはサッカーですので、
ニュースでトップに取り上げられるのはいつもサッカーのことだとか・・・・

そして時間におおらかなお国柄ですが、
お昼の時間とサッカーの開始時間は決して遅れないそうです。
遅れたら大変なことになりそうですね(@_@)

イワシの形をしたアズレージョ


今回も長い旅行記となってしまいました。

最後まで読んで下さって有難うございます。




2 件のコメント:

  1. charanさん、ポルトガル旅行記楽しく読ませていただきました。
    私がポルトガルへ旅行したのはもう10年前でした。
    一人でツアーに参加してちょっとドキドキしながらでも異国情緒たっぷりの
    大変印象に残った国でした。
    コインブラ、シントラ、ロカ岬、ポルトワイン、オビドスの町並み、修道院や
    石畳の道路、そしてポルトガルギターやファド、そしてリスボンという言葉の響き。
    すっかり忘れていましたが懐かしく思い出しました。
    それにしてもイワシの形をしたアズレージョがあったんですね。
    よいお土産でしたね!

    返信削除
    返信
    1. dorinさんは一人でツアーに参加されたんですね~ 羨ましい・・・
      ポルトガルはスペインと一緒のツアーが多く、スペインの陰に隠れて印象が薄いようですが、ポルトガルにはスペインとは違った良さがありますね。私はポルトガルが大好きになりました♡
      ポルトとリスボンはもう一度行ってみたいです。
      いろいろな街でイワシの形をした様々なお土産品があってもスルーしていましたが、リスボンに行ってやはり買わねばと思って買ってきました(^^♪  買ってきて良かったです。

      削除

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。