2008年11月15日土曜日

「ボストン美術館 浮世絵名品展」


11月13日(木)はやっとお天気が良くなったので、下町の月島へ行き、もんじゃ焼を食べてきました。
東京育ちの私ですが月島は初めてで、銀座まではよく行っていたのにその先に足を延ばすチャンスがありませんでした。
隅田川沿いにはタワーマンションが林立していますが、しゃれた公園もあり、川沿いの歩道も綺麗でなかなかいい雰囲気でした。


月島までの地下鉄は落書きもゴミもなく、パリのメトロとの違いを改めて感じました。


月島の次は一番の目的である「ボストン美術館 浮世絵名品展」(両国の江戸東京博物館)に行って来ました。
とても人気があってすごく混んでいると聞いていたので心配していましたが、やはり館内は平日なのに混んでいました。
浮世絵ですので絵は小さいですし、それぞれに丁寧に説明がついていて、どうしても近くで見たくなります。
皆、壁に沿ってゆっくり進みます。目も腰も疲れ、ソファーで休む人が多かったですね。
展示内容は、5万点を所蔵するというボストン美術館の浮世絵版画と肉筆画の中から第1級の作品のみを厳選したというだけあって、豪華なものでした。
みな保存状態がとてもよく、200年以上も前のものとは思えません。
作品も髪の生え際の1本1本がはっきりわかるほど緻密で繊細な出来栄えでした。当時の版画師の技術の高さに驚きます。
それぞれお好みがあるでしょうが、やはりポスターに使われただけあって、歌川国政の「市川鰕蔵の暫」はステキでした。


東洲斎写楽の「二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉」、葛飾北斎の「冨嶽三十六景 山下白雨」などがすぐ目に飛び込んできました。よく見かける絵ですが、やはりいいですねー。






静岡は主人の故郷ですので、丸子(まりこ)の丁子屋には時々とろろご飯を食べに行ったことがあり、広重の東海道五十三次のこの絵には親しみが湧きます。 

また、北斎が「百人一首宇波かゑとき 」と題し、唐に残された安倍仲麿を描いていました。
安倍仲麿(698-770)は奈良時代717年留学生として20歳で唐に渡り、科挙に合格して唐朝の官吏となります。
なかなか帰国を許されませんでしたが、やっと753年帰国の途についたものの、暴風に遭って安南(ベトナム)に漂着、再び唐に戻ります。
結局帰国を果たせぬまま在唐50余年、唐土に骨を埋めます(73歳)。
母国を想って歌った、「天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出でし月かも」。
百人一首でお馴染みの歌です。この歌が浮世絵に書かれていました。
私の母方の家系が百人一首好きで、私の実家もお正月は必ず百人一首で遊びました。
母が亡くなって7年。百人一首といえば母、というのが私達の思い出でしょうか。
それで浮世絵に百人一首が書かれていたのが印象に残りました。

「浮世絵展」を見終わって、朝からの疲れが出て無性に甘いものが食べたくて仕方ありません。
甘味処を探してもなかなかありません。しゃれたコーヒーショップやケーキ屋さんは沢山あるのに・・・。
やっと見つけた新宿高島屋の「鶴屋吉信」のちょっとした喫茶コーナーでおぜんざいをいただき、満足。
その後下北沢で「静岡おでん」を食べて、帰宅しました。
長い一日でした。 



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