7月17日はニースから長距離バスに乗ってヴァンスまで行きました。
前日、近くのOffice du Tourisme でヴァンスまでのバスについて聞くと、始発から二つ目くらいのバス停が私たちのホテル近くにあり、ヴァンスまで1時間ほど乗るのに一人1ユーロ(!)だといいます。
バスに乗る時確認したら、やはり1ユーロでした。
乗ってわかったことはこの長距離バスは観光客よりも地元の人たちが多く利用していることで、このように生活に密着した交通手段なので運賃が安いのかなと思いました。
翌日プロムナード・ザングレからニース空港まで乗ったバスは、何分の1かの距離で何倍も高い運賃でした。
おかしいなと思い、すぐ後ろを歩いていた60代くらいのマダムに声をかけました。
Office du Tourisme への道を聞くと、このまままっすぐ行けばよく、「私についていらっしゃい」と言ってくれました。
歩きながら、いろいろ話し、何処から来たのかと聞かれたので、日本から、と言うと、「私は日本人と話すのは初めてです」と言われました。
お礼と別れの挨拶をしてマダムと別れましたが、とても感じがよく、ほんの短い時間でしたが、一緒にいて温かさを感じさせてくれる女性でした。
Office du Tourisme でロザリオ礼拝堂の場所を教えてもらい、街の地図をもらって、今来た道を少し戻って行きました。
ここでも先ほどのマダムもロザリオ礼拝堂のことを「マティスの教会」と呼んでいました。
15分ほど歩いていくと、青い屋根に白い模様が描かれ、変わった形の十字架のかかった小さな礼拝堂がありました。
一人3ユーロ払って中へ。お御堂の中は若い司祭が後ろに座っていました。撮影禁止ですので、下の写真はすべて売店で購入したものです。
ロザリオ礼拝堂(Chapelle du Rosaire)は、マティスが【全生涯の総仕上げだ】として1947年から1951年の間、内装と装飾を手掛けたドミニコ会の教会です。
1954年に84歳で亡くなったことを思うと、マティス最晩年の作品となります。
この写真にはありませんが、祭壇の前には普通の教会のように椅子が並んでいます。
白いセラミックの壁に黒の線だけで「聖ドミニク」「聖母子」「十字架の道行」が描かれています。
輪郭だけの聖母子、十字架を思わせる両手を広げた幼子イエス・・・さまざまな情景を物語っているようです。
【この礼拝堂を訪れる人が、心が軽くなること、たとえ信者でなくても精神が高揚し、思考が明晰になり、軽やかな気持になることを願って作った】(マティス)
【陽気さあふれる教会。人々をしあわせにする空間】(マティス)
切り紙絵をもとに構想されたステンドグラスは、黒の素描だけのタイル壁画とともに明るく清澄な現代的宗教空間を作り出しています。
マリンブルー・濃い緑・レモンイエローの3色で構成されるステンドグラスは聖書に登場する「生命の木」がモチーフです。
ガラスはアンティークガラスで青と緑はトランスペアレント(透明)、黄色は半透明です。
ニースから少し離れていますが、ぜひ一度訪れて欲しい教会です。
今まで見てきた薄暗い教会とは違った空気が、小さな空間に溢れています。
それでいて、やはり教会、祈りの場であることを十分感じさせます。
お御堂を出ると、マティスがデザインした司祭服が展示されており、これもモダンで素敵です。
礼拝堂の庭は入れず、写真だけ撮って来ました。
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