2012年7月14日土曜日

スペイン旅行(9)グラナダGranada ①アルハンブラ宮殿

コルドバ見学の後はコルドバのホテルに宿泊。
ホテル近くに「燈火のキリスト」という像がありました。
2つの修道院に挟まれた小さな広場にあり、
夜になると周りを取り囲む8本のカンテラに火が灯されます。
夕暮れ時は美しくまた厳かな雰囲気になるそうです。
前夜夕食後に見に行ったツアー仲間もいましたが、
私達は翌朝見に行きました。

コルドバ 燈火のキリスト像 by Poran111

その近くの教会の壁には絵タイルが何枚か張り付けてあります。

コルドバ 教会の壁の絵タイル① by Poran111

スペインの聖画には涙を流しているものが目につき、
いつも何故かしら?と思っていました。

コルドバ 教会の壁のタイル絵② by Poran111
コルドバ 教会の壁のタイル絵②・・涙を流しています


それからグラナダに向かって出発です。
その途中にもオリーブ畑が続きます。

オリーブ畑~コルドバからグラナダへ行く途中 by Poran111

グラナダGranadaは
シエラ・ネバダ山脈の麓にある町で、
ローマ時代に起源をもつ古い都です。
紀元前5世紀頃ローマ帝国に支配された後、
8世紀にはイスラムの支配下に入ります。
同じアンダルシアのコルドバが1236年にキリスト教徒に奪還された後、
イスラム教徒はグラナダに逃れて1238年にナスル朝グラナダ王国を建国。
イベリア半島におけるイスラム最後の砦となりました。
レコンキスタの嵐が吹き荒れる中、
世界有数の歴史遺産であるアルハンブラ宮殿の建築が
始まったのもこの頃です。
その後1492年キリスト教徒の手に落ちるまでの約250年間、
グラナダ王国は経済・文化・芸術など多くの分野で隆盛を極めます。

王宮の窓から外を見る by Poran111

グラナダでは今回のスペイン旅行一番の目的地である
アルハンブラ宮殿へ。

都を見下ろす丘の上に建てられた宮殿は
13世紀前半の初代王から14世紀7代王まで建設が進められ完成しました。
完成時は城内にはモーロ人の貴族を中心に2000人以上の人々が暮らし、
市場、モスク、住宅が整備され、貴族の宮殿は7つもあったそうです。
中でも王宮は
素っ気ない外観とは裏腹に、一歩中に入ると幻想的な世界が展開する
イスラム芸術の結晶でした。
そのあまりの美しさに
「王は魔法を使って王宮を完成さた」
とさえ言われました。

初めにグラナダ王の夏の離宮であるヘネラリーフェへ。

アルハンブラ宮殿内ヘネラリーフェ庭園① by Poran111

ヘネラリーフェは至る所に
シエラ・ネバダ山脈の雪解け水を利用した水路や噴水が設けられ、
「水の宮殿」と呼ばれます。
その中のアセキアの中庭は
細長い水路(アセキア)の左右の噴水から
絶え間なく水が降り注いでいます。
水のある景観をこよなく愛したイスラムの人々の心が伝わります。

ヘネラリーフェ庭園②噴水 by Poran111
ヘネラリーフェ庭園・・・アセキアの中庭

カルロス5世宮殿は
カトリック両王(フェルナンド2世、イサベル1世夫婦)の孫であるカルロス5世が
スペイン帝国のシンボルとして16世紀に建てたもの。
円形の中庭は以前は闘牛などが行われていましたが、
現在は毎年夏に開かれるグラナダ国際音楽舞踏祭の会場として
使用されています。


アルカサバはアルハンブラで最も古いもので、
キリスト教国の攻撃から都を守るため
アラブ世界の軍事技術を結集した難攻不落の要塞でした。

王宮内は
私の好きな絵タイルや精緻な漆喰細工が施され、
グラナダ王国の華やかな生活を垣間見ることができます。

王宮のタイル② by Poran111


宮殿で一番有名なのは
アラヤネスの中庭でしょう。
大きな長方形の池の両脇にアラヤネス(天人花)の植え込みがあり、
水面にはコマレスの塔が静かに映っています。

アルハンブラ宮殿 アラヤネスの中庭 by Poran111
アルハンブラ宮殿 アラヤネスの中庭・・・水面に映るコマレスの塔


コマレス宮を過ぎると
12頭のライオンの噴水があるライオンの中庭に出ます。
ここは2006年から修復工事のためライオンが撤去されていましたが、
現在は戻っており、床の工事が行われていました。
この中庭を囲む幾つかの部屋は
王のハーレムでしたので
王以外の男性の立ち入りは禁止で、
ライオンの宮殿と呼ばれます。

王宮 ライオンの中庭 工事中 by Poran111


ライオンの中庭の北側にある二姉妹の間は
丸天井のモカラベが美しい部屋です。
モカラベとは
天井を覆う無数の鍾乳石状の複雑な装飾のことで
初めてみる独特な細工です。

アルハンブラ宮殿王宮 「二姉妹の間」鍾乳石飾り by Poran111


グラナダが陥落した1492年は
レコンキスタの完了の年であると共に、
グラナダの征服者イサベル女王が援助したコロンブスが
新大陸に到達した年でもあり、
スペインが世界制覇の夢に燃えて大海原に乗り出して行く、
大航海時代の幕開けの年でもありました。

スペインは統一されますが、グラナダには
8世紀から約780年間、スペインで最も長きにわたるイスラム支配の影響が
今も色濃く残っています。


アルハンブラ宮殿最後の王ムハンマド11世は
城から逃れて北アフリカに向かう途中、
シエラ・ネバダの険路にさしかかる丘の上で、
宮殿を視界に収めながら惜別の涙を流したと言われます。
(この情景を描いた絵がありました)

王宮から見るシエラ・ネバダ山脈 by Poran111

アルハンブラ宮殿と言えば、
フランシスコ・タレガ作「アルハンブラの想い出」の哀調を帯びた美しい旋律を
思い浮かべる方も多いでしょう。

近いうちにPoranが「アルハンブラの想い出」について
詳しく書く予定です。お楽しみに・・・



4 件のコメント:

  1. スペインの歴史も学びながら読ませていただきました。ありがとうございました。

    改めて「ヨーロッパは石の文化」だと実感しました。
    長く内戦が続いていたのに、歴史的建造物が保護されているように感じます(実際は随分損壊したかもしれませんが・・・・)。

    海に面している国なので、中東やアフリカの影響も受けたと思われるデザインが豊富で、興味深い国なのですね。

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  2. noridartさん
    長い記事を読んで下さって有難うございます。旅の記録として残そうと思うと、ついつい長くなってしまいます。自分は再びスペインに行っている気分です(*^。^*)

    私も「石の文化」と思いました。日本ですと古いお城が残っていてもその周辺は新しい街ですが、あちらは街そのものが昔のままです。保存もするのでしょうが、燃えないんですね・・。
    また、バルセロナでは古い建物の改築工事を見ましたが、古いものが好きなので外観だけ残して中身だけ新しくするとか・・・全て新しく作り直した方がかなり安くできるそうですが・・。

    スペインはイスラム支配が長かったことやアフリカ大陸に近いので、ピレネーより上の国とは趣が違いますね。

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  3. charanさん、

    スペイン旅行記、毎回楽しみに読ませて頂いています。訪れたスペインの中で、私がもっとも感銘を受けた場所がアルハンブラ宮殿でした。今回の記事を読んで、またその感動が蘇りました。イスラム芸術に彩られた、ほの暗い宮殿の中から出ると、光溢れる中庭。光と影の対比の美しさに溢れた建築物ですね。お天気もcharanさんの味方でしたね。青空の下のフェレラリーフェやアラヤネスの中庭の写真、本当に素敵です。

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  4. Angelaさん、
    読んで下さって有難うございます。
    スペインは南に行くほどイスラムの影響が残っている気がします。スペインにいるのに違う国にいるような・・・。
    砂漠の民であるイスラム教徒にとって、水や緑、花々は何にも増して貴重であり、追い求めていたものだということがよくわかりました。そして、溢れる水や濃い緑に囲まれた日本の風景の素晴らしさを再確認し、大事に守っていかなければと思いました。

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