2008年8月30日土曜日

フランス・ロンドン旅行~ニース「シャガール美術館(2)」

シャガール美術館の続きです。





六角形のホールに「雅歌」の連作5点が展示されていますが、これは「聖書のメッセージ」シリーズの後期を形成するものです。
ソロモンのものとされている詩は、呼び合い、迷い、求め、見出す恋人たちの相互の愛を讃えたものです。






シャガールはこの美術館にしっくり調和する新しい作品を制作しました。
それがコンサートホールのステンドグラスと泉水に面したモザイクです。




コンサートホールにあるこの作品はステンドグラスの名匠シャルル・マルクによって制作されたもので、コンサートと会議のためのホールを深いブルーの光で照らします。

「天地創造」が描かれ、ヘブライ語の筆記と同じように右から左へ読んでいきます。ここには創造の7日間が語られています。
右の第1の窓には最初の4日間が描かれており、光と惑星の誕生が見えます。暗いブルーは原初の夜を思わせます。
左の第2の窓は5日目と6日目が描かれ明るく澄み切ったブルーの中に動物と花、男と女、最初の楽園の平和な風景が現れます。




第3の一番幅の狭い最後の窓は、7日目のエピソードで締めくくられ、天地の創造が終わり、いろいろな色合いの青がここで調和します。
ぽっかり開いた空で天使たちが神の栄光を歌っています。




コンサートホールでは、私たちを含む数組の観光客が椅子に座ってゆっくり鑑賞していました。





泉水に映るモザイクは、火の車に乗った預言者エリアを描いたもので、イタリア人モザイク作家リノ・メラノが制作しました。
建築空間によく調和しており、色使いも繊細で、シャガールのモザイク作品の中でも傑作のひとつとされています。



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